プロレスはポップになるのか、なったのか?【パパはわるものチャンピオン鑑賞記】

2018年10月1日、TOHOシネマズ新宿にて「パパはわるものチャンピオン」鑑賞してまいりました。ありがたいもので最近は映画の豊作期なのか名作に恵まれておりますけれども、今回もなかなか良い作品でした。今回もネタばれアリの感想記となりますので予告編を見て、観た方は読んで頂きまして、ネタバレを避けたいという方は予告編が流れている間にご移動願います。

新日本プロレス(以下略、新日)が役者揃いのアミューズ事務所と手を組んだ映画で済ませちゃえばそれまでだし、そもそも新日は芸能活動でアミューズと提携してるわけで総アミューズ体制ではあるけど、それで済ませてはいけない作品です。プロレスファンですからそのフィルターを通しちゃうから評価の高さはそれを加味してしまいますがプロレスを知らない人、知ってるけど深く知らない人にも見て欲しい作品でした。

プロレスラー棚橋弘至が主演プロレス映画って理由だけで興味はあって見るのは確定だったけど、予告編を映画館で何回か見てて、こりゃしっかりとしたプロレス映画が見られそうな期待は高くなった。

そんなに何本もプロレスをテーマにした映画観てなくて、サブカルチャーど真ん中な「いかレスラー」とリアルな描写だし名作だとは思うけどお茶の間には出しづらい「レスラー(ミッキー・ローク主演作)」とプロレスファンはワクワクするけどアングラ色強くて『もっとミスチルばりのポップなやつを』と思ってたなかでようやく現れたと言う印象である。

演技をしてたプロレスラーは主演の棚橋とギンバエマスクの田口隆祐だったけど二人とも良かった。なんとなく棚橋の演技のポテンシャルって予想は付いてたけど(笑)、田口がすごい良かった。なんか他からもっとオファー来るんじゃないか?って位に良かった。正直、棚橋以上でした。

主演と主役ってのは違う感じがして、個人的には仲里依紗演じるプロレス好き女子記者と寺田心演じる大村息子の物語として見てました。ヒールレスラーの父を好きになれない息子とヒールターンする前からファンだった記者の交流を描いた話と言う所。また、仲里依紗の役柄が素晴らしくていわゆる「プ女子」位の浅いキャリアではなくて「プヲタ」って位の深さで感情移入出来る感じが素晴らしい。

率直に言えば仲里依紗って高飛車で超が付くほど個人的には嫌いな女優で今回出てるのは知ってたから「この作品のマイナスポイントになるかなぁ」なんて思ってましたが、仲里依紗さんごめんなさい!って感じで丸々評価は覆りました。いやはや主役でした。
そして、演技をする寺田心、凄かった。ちゃんとし過ぎてて気色悪ささえあるわけですが(笑)、その完璧さゆえに役者としては素晴らしかった。父親がゴキブリマスクと学校でバレた後、暫く休んでから復帰して全クラスメートに担架を切るシーンが歌舞伎のようでありプロレスらしくてこの作品で一番印象に残った名シーンでした。

その後にクライマックスとしてタイトル戦としてオカダ・カズチカ演じるドラゴンジョージがオオムラタカシを逆指名して試合するんだけど、呼び名は違えど普通にオカダ・カズチカ対棚橋弘至で大画面で見る試合は大迫力でした。プロレスの見方として勝敗予想なんてのはその後の流れとかを踏まえつつも「こうなるだろう」という所である程度の予想をしながら見るけれども、この映画の中での試合では本来のプロレスの流れで言えばドラゴンジョージの勝ちになるんだろうけど、映画的な流れを思えばゴキブリマスクが勝つこともあるだろうから全く読めないまま楽しんでた。

構成も上手くて、序盤見ながら「これプロレスファンじゃない人置き去りじゃないか?」みたいに感じさせてるのに気付いたら、ヒューマンドラマで全員引き付けて最後に実質「オカダ対棚橋」と言う新日本プロレスの黄金カードの良いところをバッチリ見せて一般層も唸らせると言う構成の妙。これきっかけで生のプロレスを見たい人も増える気がした。あと、このままでいけば来年の1.4東京ドームメインはケニー・オメガ対棚橋弘至だと思ったけど、もしかしてオカダ対棚橋になるんじゃないかとさえ思わされる錯覚を感じた。

作品面の話はここらへんにして、ずっと気になってた変な役名の話を触れてこの文章を終わりにしたい。ゴキブリマスクとギンバエマスクは一般人にもわかりやすい嫌われ者という所からのチョイスだけれどもゴキブリって下から上の上昇っていうのは出来なくて、上から下に飛ぶ滑空しかできないという事実ありきであのハイフライフローをフィニッシュにしたのかと思うと恐れ入った。個人的には完全に棚橋弘至に寄せて膝の故障の話とかハイフライをフィニッシュにしてるって言う事だと思っていたが、原作があるという事実に驚きを隠せないエンドロールだった。

真壁刀義の「スイートゴリラ丸山」なんじゃそりゃって、スイーツ真壁を活かすためにしてもどうなんだろうスイーツゴリラなんて思ったけど、実況でキングコングニードロップを「SG(スイーツゴリラ)二―ドロップ」という改名をしているのを思うと『そうだよね、キングコングは許可下りねぇわな』って合点がいった。でもスイーツゴリラである理由は皆無だった(笑)。

オカダ・カズチカのドラゴンジョージ、オカダ・カズチカであることはブランドを考えると許されないのは理解しながらもドラゴンジョージである理由を考えてて、途中から新日本プロレスが誇る藤波辰爾によるドラゴンというブランドのオマージュなんじゃないかって思えるようになってきて、なるほどなぁなんて思ったんだけどドラゴンジョージのコスチュームの膝に「DG」の2文字を見て、オカダ・カズチカのルーツである登竜門・ドラゴンゲートも意識してるのかと思ったらかなり痺れた。

プロレス映画として避けてる人がいたら是非色眼鏡なしで見て欲しいけど、結果としてプロレスに引き込む要素満杯だからどうにかならんもんなんだろうかという感じがした。この作品をプロレスをポップにするための武器ととらえていたわけだけれども、もしかしてこういうポップな所にまでプロレスはなったのか?なんてどっちの錯覚か迷わされるような作品だった。でもいい作品だったなぁ88点/100点。

何度も言うけど、これはプロレスファンというフィルター込み(笑)。

投稿者: shakson5

しまだくらぶです。生まれも育ちも住いも埼玉県の昭和54年早生まれの40代です。婚活の歴史とか趣味のDJとか色々お話して、皆さんの暇潰し等のお役に立ちたくてブログを書いております。

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