アフター第七世代、一発屋自体が存在しなくなる?「一発屋芸人列伝/山田ルイ53世著」を読んで。

私の中の髭男爵

2006~2007年に自分の歴史に放送作家修行時代というのが自分にあって、髭男爵は当時好きな芸人で挙げてた。そう考えるとルネッサーンスが15年前かとなんか遠い目をしたくなる。その後、地下アイドルに狂ってた頃に髭男爵・ルイ山田53世プロデュースのアイドルにはまっていた事もあり、何かと等間隔で髭男爵という名前は自分に現れる。

久々に現れた髭男爵・ルイ山田53世はラジオのゲストだった。ラジオ日本『真夜中のハリー&レイス』にて宣伝したのをきっかけに文庫版を買ったのが今回の一発屋芸人列伝。

レイザーラモンHG、コウメ太夫、テツandトモ、ジョイマン、ムーディ勝山と天津・木村、波田陽区、ハローケイスケ、とにかく明るい安村、キンタロー。、スギちゃん、髭男爵

今回取り上げられた芸人達である。そのほとんどが「一発屋」と呼ばれる、一度派手に売れてその後売れなくなってしまった人達である。ただ、文庫化されたのは令和2(2020)年であり、本が出版されたのは平成30(2018)年である。最近の「有吉の壁」や「千鳥のクセが強いネタグランプリ」によって息を吹き返した芸人がいるというシチュエーションは伝えておく必要はあるだろう。

時代の変貌と一発屋芸人

この本の出版は霜降り明星・せいやが「第七世代」についてラジオで語った前の事である。僅か三年、主役の一発屋芸人達が人々の記憶から薄れているのもそうだがお笑いの歴史みたいなものは一気に変わってきている。とにかく明るい安村が服を着て面白いネタをやっている

だけではなく、この二年で一発屋芸人は現れてない(気がする)。そう考えるともしかしたら、最後の一発屋の歴史を語る本、歴史書になるのではないか?そんな気がするが、この本は第七世代が現れる前の話である。一発屋と世間に呼ばれてその後フランス革命のごときルネッサンスをお笑いでは起こせていない髭男爵・山田ルイ53世が同じような辛酸を舐めている一発屋芸人の色々な顔を描いている。

放送作家見習いとして、「お笑い」という世界に足を踏み入れてテレビのクイズ番組に二問採用された程度の傷跡しか残せず『学生時代のニッチェにダメ出ししたことがある』程度の自慢話しかない人間にとっては歴史書みたいな意味を持つ。

一発屋とは「昔、流行ったけど今はつまらない」が一般的な味方である。流行りに乗せられて一気に消費されて飽きられる一発屋芸人あるあるであり、日本のテレビにありがちな残酷な末路ではある。しかし、もっと地下の世界にいた人間にしてみれば一発当てただけでも凄い、スーパーヒーローなのだ。全員時代を築いた天下人と讃えたいが波田陽区は当時から変わらず生理的に無理だ(笑)。

この本の凄いところ

著者はただ一発屋を集めただけではない「一発屋になりそびれてしまった人、0.5発屋」にもスポットライトを浴びせている。ハローケイスケの章だ。数多くいる芸人の中から一発屋が現れる確率は一握りだ、それよりも多くいる0.5発屋。これだけ面白い人でも一発屋になれない、なぜこの人が売れないのか?そんな人はわんさかいる。一時の成功をつかんでからもがく人、一時の成功もつかみ損ねてもがく人もいる。もちろん何のチャンスもなく消える人もいるが、華々しい一発屋の中にいる0.5発屋に感情移入したくなる。

意外な所への評価

本文は是非読んで欲しいから内容を書くつもりはないが文末のクリープハイプ・尾崎世界観の解説文が非常に心地よい。クリープハイプも数回聞いただけ、芥川賞にノミネートされた小説も未読、ラジオ番組のゲストで出た回を聞いて面白い人だなと思ったくらいだった。そこそこ有名ではあるが一発屋並みに売れていない自分の境遇を踏まえつつ、くすぐりも入れた文章は他のものも含めて『また読みたくなる』文章だった。

尾崎世界観の解説を読む前に読み終わった後に文庫サイズのこの本の処遇を考えてた。ブックオフなら二束三文、メルカリで300円台で売れるのを確認しながら読んだらこの解説で今はいつか読み返す時の為に本棚に戻すことにした。結果として一発屋芸人と呼ばれた人達と尾崎世界観の動向を気にするきっかけの一冊だった。

投稿者: shakson5

しまだくらぶです。生まれも育ちも住いも埼玉県の昭和54年早生まれの40代です。婚活の歴史とか趣味のDJとか色々お話して、皆さんの暇潰し等のお役に立ちたくてブログを書いております。

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