落語感想文24【死んでないから落語になった、死んでたら講談か浄瑠璃?「品川心中」】

落語感想文、とにかく落語の感想を独自の解釈で書いてます。最近は「鬼滅の刃」のアニメの新シーズンは『遊郭編』らしくて世のお父さんお母さんが「子供に遊郭をどう教えたら?」と迷っているから『じゃあ、落語の郭噺を見たら?』なんて事で連続的に郭噺の感想をご紹介してます。

郭噺シリーズは今回が最後。ここまで『二階ぞめき』 『明烏』 『文七元結』『お見立』『お直し』と来て今回はいよいよ品川心中です。

吉原も品川も遊郭には鬼がいる

今回の郭噺シリーズ、共通して「遊郭には鬼がいる」と話してます。花魁もそれを束ねるお茶屋のおかみさん、店の人もしかり。とにかく一度入ったらお客も花魁も抜け出せない地獄こそが遊郭と言うイメージです。

地獄からの脱出劇

この地獄から抜け出そうとする花魁に振り回された男がこの噺の主人公ですが、このシリーズで唯一その地獄から抜け出そうとしたのがお染と言う花魁です。「品川心中」つまり品川で心中する二人の噺ですが、どちらも死にません。死んだら落語にはなりませんね、講談とか落語や浄瑠璃に化けてしまいますから(笑)。個人的に好きなポイントは二人の心中の計画から実行までではなくて、振り回された主人公の様子。心中前の親方への報告と心中失敗後の場面。

品川は遠浅の海だった

お染は今で言うスポンサーが見つかり心中する理由がなくなった。そして主人公は遠浅の海だったから死ななかった。てことはそもそも失敗したのかもなんて思いつつ、そこは遠浅で溺れ死にかけたことを笑いましょう。

品川心中ベストシーン

生き残った主人公が町の野犬にリレー形式で追いかけ回されたシーンがこの噺では一番好きだ。そこから主人公が長屋に戻ってからの騒動もしかりだ。つまり生き死にとかはどうでもよくて、それらはきっかけでしかない。下らないやり取りへの序章に過ぎない。最後は心中の話はどこに行った?位の明るさで終わるのが「上」といわれるパート、実は品川心中には「上下」がある。

間違いなく色んな郭噺の中でも記録に残してる人は多いはず。それがこの品川心中ではないかと思う。それでも私が聞いたのは古今亭志ん生と志ん朝、さらに三遊亭圓生の三名だけ。興味深いのは昭和の大名人である志ん生と圓生の高座が非常に鮮明な音で楽しめること。失礼なのを自覚してますが『眠れなくて悩んだら志ん生を聞こう、おじいちゃんの長話だからうとうと出来る』と提唱してる人間だからこんなにハッキリ聞こえるのは驚きました。

初めての三遊亭圓生

圓生も今回はじめてちゃんと聞きましたが昭和の音源だから志ん生並みに聞きづらいとばかり思ってましたが巡り会わせで音質の古いものばかり聞いていたのかもしれません。そして、圓生落語は非常に丁寧!「問わず語りの神田伯山」と言うラジオ番組で神田伯山が『落語スパルタ教育』としてまず圓生百席を聞いて欲しいと言ってたのも頷けるくらい丁寧な語り口でちょっと百席集めたいなと思うくらい。実は圓生のだけ「下」をやっているのです。主人公がお染に仕返しをするのですが、聞いて思いますが「別に要らんな」と(笑)。今は「上」のみやるのが主流らしいですが確かに男だけはめられて終わった方が面白い、渡部建や東ブクロの件を思えば。

志ん生・志ん朝親子のバトン

更に聞き比べで言うなら志ん朝が父親である志ん生の品川心中を忠実にカバーしてるのがまたジワジワ来る。師弟関係でもあるから普通は普通なんですが完コピ具合が素晴らしかった。もっと品川心中追及すれば面白いかもしれないけど、深堀せずに品川にあった海のように広く浅くでここら辺で終わりにしようと思います。

郭噺シリーズ完結

と言うことで郭噺シリーズを終わります。あくまでも今の時点で聞いたことのある郭噺なのでこれからも紹介することはあるでしょうが一応終了です。ジャンル分けで言うと「居残り佐平次」も郭噺らしいですが個人的にはまた別物かとは思います。それはまたどこかでお話しましょう。ひとまず、遊郭の呪縛は解けましたのでなんとなく肩の荷が降りましたがやっぱり遊郭の説明をするのに郭噺は手っ取り早い!この主張は変わりませんな(笑)。


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投稿者: shakson5

しまだくらぶです。生まれも育ちも住いも埼玉県の昭和54年早生まれの40代です。婚活の歴史とか趣味のDJとか色々お話して、皆さんの暇潰し等のお役に立ちたくてブログを書いております。

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